糖尿病は自覚症状がない病ともいわれています。実際、糖尿病患者のほとんどの方が、健康診断で糖尿病だと判断されているようです。また、体調の異変に気付いたころには症状がかなり進行しているというケースも、多々見受けられます。
初期症状の段階でも、注意すれば気が付く自覚症状があります。
例えば、「のどが渇く」「尿が多い(トイレの回数が多い)」という人。夏場で汗をかくシーズンならともかく、冬場でも水分を多量に摂取したり、頻尿や尿の量が増えたという方は、糖尿病のリスクがかなり高いといえます。
これは、血液中の余分な糖を体外に排出しようと体がはたらいているため。これらの症状とあわせて、血糖値が規定値を超えた場合には「糖尿病」と診断されます。
また、「立ちくらみ」「足のしびれ」といった症状も糖尿病の可能性があります。さらに、これらの症状はいわゆる3大合併症のひとつ「糖尿病神経障害」をすでに引き起こしている疑いもあるのです。
糖尿病は、内臓をコントロールする自律神経や、触覚などを脳に伝える感覚神経などに十分なエネルギー(ブドウ糖)が行きわたらなくなる病でもあります。
こうした神経系に障害が起きることで、「立ちくらみ」「足のしびれ」といった症状が起きることもあります。また、エネルギーが筋肉の細胞に届けられないことから「寝てもだるさが取れない」「食後の眠気がひどい」といった症状も、糖尿病と疑われることがあります。
こうした自覚症状に気が付かなくても、健康診断を受けていれば早期発見につながります。健康診断の項目で、糖尿病に直結するものといえば血糖値です。この数値が126mg/dL(空腹時)を超えると糖尿病の疑いがあると診断されます。
血糖値の測定にはもうひとつの方法があります。それが「随時血糖値」と呼ばれるものです。通常の健康診断の場合、朝から何も食べない空腹時の血糖値を測定しますが、随時血糖値は食事をする・しないは関係なく計測します。この数値が200 mg/dLを超えると、糖尿病の可能性が極めて高くなります。
血糖値以外にも気にしたいのが「HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)」です。HbA1cとは、糖と結びついたヘモグロビンの割合を示したものです。
血糖値は、食事をした直後に急上昇し、その後ゆっくり時間をかけて下がっていきます。極論ですが、健康診断前に食事量を抑えれば、糖尿病の方でも正常の数値に抑えることができるのです。
一方、HbA1cはヘモグロビン(赤血球)がすべて入れ替わらないと数値は変化しません。赤血球の寿命は約2か月ですから、より正確な血液中の糖分量を測れるともいえます。
このHbA1cが6.5%以上だと、糖尿病と診断されるのです。
健康診断で「糖尿病の疑いがある」と診断された方は、できる限り早めに専門病院で再検査をしましょう。先述の通り、糖尿病の治療をおこなわず放置しておくと、合併症を引き起こすリスクが極めて高くなります。
合併症には、立ちくらみや手足のしびれだけでなく、視力低下や視覚の異常をもたらす糖尿病網膜症、腎臓機能を喪失させる糖尿病性腎症など、最悪の場合、命にもかかわる病もあります。
そうならないためにも早期に医師と相談のうえ、食生活の改善や運動など生活習慣を見直して糖尿病の予防・進行抑制に努めましょう。
糖尿病予備群の方は、再検査をするに至らない人がほとんどでしょう。とはいえ、いまの生活習慣のままで何もしなければ糖尿病を患う確率が高くなる一方です。
外食が多く、運動をする時間が取りづらい…そんな方におすすめなのが、健康食品やサプリメント。食事の際に服用することで血糖値の上昇を穏やかにしてくれるなど、手軽に血糖コントロールを始められます。最近ではトクホ(特定保健用食品)の成分を含んだ商品も増えていますので、予備群と診断された方はこうしたものを活用してみてはいかがでしょうか?
糖の分解を抑え、血糖値の上昇を抑制する効果が期待。糖尿病予防はもちろん、合併症を防ぐのにも有効だとされる成分です。
特定保健用食品(トクホ)として認定されている成分。小腸にはたらきかけ、糖の吸収を抑えることで血糖値の抑制効果があることが確認されています。
糖質を分解する酵素(消化酵素アミラーゼ)のはたらきを阻害し、血糖値の上昇を抑えることがわかっている成分です。
俗称「植物性インシュリン」。これを摂ることでインシュリンと同じはたらきをするとされることから、糖尿病予防に古くから用いられてきました。
冬場なのに水分を大量に摂っている、のどが渇くからジュースなどをたくさん飲む…といった症状のある方は、糖尿病の疑いが高いです。
起き上がろうとするとフラフラして、しばらく立ち上がれない「起立性低血圧」。もしかしたら、糖尿病がかなり進行している可能性があります。
手足のしびれは、糖尿病にともなう合併症でもっとも多い症例。ヒリヒリ、ジンジン、チクチクなど、しびれの感じ方はさまざまです。
トイレが近くなったのは歳のせいだと思っていませんか?のどの渇きをともなう場合、糖尿病を患っている可能性が極めて高いです。
休日にゆっくりしてもだるい状態が続く、食後は特に眠気がひどい…といった症状も、糖尿病のサインかもしれません。我慢をせずに専門医へ。
糖尿病の合併症のひとつ「糖尿病網膜症」の可能性があります。虫が飛んでいるように見える、視界の一部が欠けて見えるといった症状もこの合併症が原因です。
糖尿病になると、感染症にかかりやすくなったり、白血球の機能が低下したりするなど、さまざまな症状が身体にあらわれます。これらの症状によって虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
糖尿病を発症した男性は、性欲の低下など性機能障害を起こす頻度が健康な方と比べて高くなります。糖尿病男性の3割以上に見られるとも言われる性欲減退や勃起障害。悩む方も多い一方で、性欲の低下に対する治療をする方はそれほど多くないそうです。その原因や症状をご紹介します。
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