重い糖尿病の場合、歩くことが困難になり最悪の場合は手足を失う可能性も出てきます。
まずは、手足のしびれがひどい糖尿病患者さんの体験談をご覧ください。
しびれと痛みで入退院の繰り返し…
糖尿病と診断されて、かれこれ10年近くになります。最初の頃は自覚症状がまったくなかったのですが、6~7年くらい前から感覚障害が現れ始めました。
最初に現れたのが、手のしびれ。今では24時間しびれて痛みも感じるのですが、慣れました。それでも足のしびれが進行してくると我慢できず、歩けないため何度か救急車で運ばれたこともあります。
しばらく入院したこともあり、インスリンを打って血糖値をコントロールしているうちに改善へ。しかし退院してからしばらくするとまた足のしびれが再発し、痛みも伴うようになって入退院を繰り返しています。
本当に悪くなると痛みも感じなくなって、転んでケガをしたとしてもケガをしたことすら気が付かなくなるそう。私はまだそこまで重い状態ではないのですが、ただ歩くだけでも必死な状態が続いています。
こうなったのも、糖尿病だと気が付かず放置してきた自分のせい。できることなら、10年前に戻りたい…。
手や足のしびれは、糖尿病が起因する感覚神経障害によって起きる症状です。こうした障害を糖尿病性神経障害といい、糖尿病の3大合併症のひとつになっています。糖尿病神経障害は合併症のなかでも早期に現れる症状と言われ、自覚がない人も含めると3~4割の患者がかかっていると言われている怖い障害です。
症状には、「ひりひり」「じんじん」「チクチク」するしびれのほか痛みを伴うこともあり、体験談のように歩くのが困難になって救急車で病院に運ばれるケースも多くあります。
血糖値が高い状態が続いた時に負担がかかるのは、血管です。特に手足の末端にある毛細血管はダメージを受けやすくなります。
毛細血管は手足の末端神経に栄養分や酸素を送る役割も果たしますが、毛細血管がダメージを受けることでも末梢神経は影響を受けます。また、末梢神経のひとつである感覚神経に影響が与えられると手足のしびれとして症状が現れるのです。
こうした症状は糖尿病の合併症によって引き起こされるものですから、しびれが続く状態であれば病状がかなり進行していることを意味します。
そのまま放置し続けると、手足の感覚が麻痺し、ケガや感染症などにかかっても気が付かず、最悪の場合には切断しなければならない場合も。
手足を失うことのないように、糖尿病予備軍の方も早期発見、早期治療に努めるよう心がけましょう。
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